スタッフブログ

2018.06.18更新

30.6.1

毎年くる梅雨はジメジメして、蒸し暑いので体調管理が難しい季節ですね。しかし、福岡は雨の日が十分にないと夏になって水が不足する事態にもなりやすい都市ですので、この時期に十分に雨が降ると、安心して夏から以降を過ごせます。去年に比べると今年はすごく早い梅雨入りでした。ここ福岡では梅雨の時期に一年間の3割程度の雨が降るのが普通だそうです。どうか「適量に」雨が降りますように・・・

30.6.2
遺言作成をお勧めする場合の第三回目です。
【2回以上結婚し、離婚した相手との間に子供がいる場合】
 亡くなった人が複数回の結婚をしていて、その離婚相手との間に子供がいる場合は、その子供全員が相続人になります。現在の相手(配偶者)との子供だけではないんです。そして、その子供全員は法律上は均等に持分があることになります。即ち、被相続人の財産は配偶者が2分の1で、残りの2分の1を子供全員の頭数で割ることになるのです。もし、その子供の中に死んでいる方がいたとしても、その子供の子供に相続することになり、子供以下の孫・曾孫・玄孫・・・(直系卑属といいます)まで相続権はずっと受け継がれます。これを代襲相続といいます。いわば、子供の相続権は結構強く守られていると言えます。
 実際に私が受けた事例では、夫が亡くなったので自宅の名義を妻である自分に変えてほしいというものでした。話を聞いてみると、妻である自分とその子供2人が相続人であるとの説明を受けていました。そこで、被相続人である夫の戸籍を出生から死亡まで取得してみると・・・なんと、夫は2回結婚していたのです。そして、最初の結婚で子供が1人いることが分かりました。この事情を説明し、今回は依頼者である被相続人の妻とその子供2人それから前妻の子供1人が相続人となり、自宅の名義を妻にするには、遺産分割協議書に相続人全員の署名押印が必要ですと言って、妻の子供は話を聞いているので問題ないのですが、前妻の子供が承諾しないことには手続きが前に進みませんとして、依頼者に前妻の子供と事前に話し合うようにアドバイスしました。
依頼者は、暫くした後、前妻の子供に連絡をとって、事情を説明し、遺産分割協議書の作成に協力してくれるとの内諾をもらったと私に言ってきたので、さっそく遺産分割協議書を作成し依頼者にお渡ししました。それからかなりの時間が経ったある日、依頼者から連絡があったのです。電話で話をしたときは協力的だった前妻の子供が、いざ遺産分割協議書を目の前にして、翻意したのか、署名捺印を拒んだとのことでした。確かに、この協議書に押印した後は、前妻の子供は依頼者の子供のように次の相続権がありません。今回の件で被相続人の遺産の一部でももらっておかないと、次の相続(配偶者が亡くなった時)での相続権はありません。たぶん、そのあたりが理由ではないかと思われますが、前妻の子供から相続分の請求は一切なかったといいます。その後数年経ちましたが、その依頼者から進展があったことの連絡はありませんので結末はわかりません。
 この場合に遺言書があれば、遺留分は請求されるかもしれませんが、自宅の名義は妻のものになっていたでしょう。全体の手続きは比較的スムーズに終わったと考えられます。該当する方は是非専門家にご相談ください。

30.6.3

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2018.05.09更新

30.5.1

新緑の季節がやってきました。木々は、淡い緑の芽を吹き、冬は丸坊主だった枝に、緑の葉っぱが覆い茂るような勢いのある生命の営みを見るにつけ、私は新たな気持ちを起こさずにはいられません。一見するといつもと変わりのない季節の変遷ですが、よく見るとまったく同じ季節ではないのです。ちゃんと世代をつなぐ形で次の季節がやってきています。そのつなぎ目こそが人間社会で言う「相続」ではないでしょうか。
 流れゆく季節の中で、「相続」をちょっとだけ考えてみませんか・・・

30.5.2
前回からの続きで、遺言書があると遺産相続がスムーズだっただろうと思われる事例をご紹介します。
【相続人に外国在住の日本人がいる場合】
日本人も国際化の波が訪れて久しくなっています。これに伴い外国で働いて外国に永住する方や外国人と結婚して、外国に永住している方が増えてきました。大体どこの国でも相続は民法に定められていますが、適用されるのは被相続人の国の民法になります。例えば亡くなった方が日本に住んでいるアメリカ人だった場合は、原則としてアメリカの民法が適用されることになります。紙面の都合上、今回は被相続人が日本人の方で、相続人の子供が外国に住んでいる場合や外国に帰化している場合を例にします。
私が扱ったケースは、相続人の一人が外国に永住している場合でした。この方の場合は、外国に住む相続人が非常に協力的だったこととイギリスという先進国にいたので、時間はかかりましたが無事に日本の不動産の遺産相続が完了しました。外国に住んでいる日本人は国交がある国であれば、日本大使館或いは日本領事館がその国にあるので、そこで在留証明書及びサイン証明書を出してもらうことで対処できます。ただし、日本国内の市町村と違うのは、大使館や領事館が近くになく、交通事情もありますが、非常に遠いところにある場合が多いです。日本のように郵便でやりとりは難しく、領事館等に出かけなければならないことがあります。外国に住む日本人は、普通は領事館等に頻繁に手続きをすることはあまりありません。特別な場合だけだと考えていいと思います。ですので、慣れないこともあり、先ほどの証明書を取得するにも時間と手間がかかります。それから、郵便にてやり取りする場合の郵便事情も日本とは違い外国の郵便は時間がかかるのと到達するのが当たり前でないことです。日本では郵便は必ず届くと考えていると思いますが、外国、特に先進国でない場合は特に郵便事情が悪くなっていることが多いようです。私の場合のイギリスから日本への郵便も、丁度クリスマスの時期でもあったので、郵便物が届くのに一か月以上かかりました。
もし、公正証書による遺言書があれば、外国に住む方に相続させない限り、日本国内での手続きで完了することが出来ます。外国に住む相続人も何ら手続きをしなくても、被相続人の遺産相続が出来ますので、そのような方は是非ご一考下さい。もちろん当事務所にてお手伝いはさせていただきます。

30.5.3

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2018.04.25更新

30.4.1

新年度の始まる4月、桜吹雪がきれいな季節がやってきました。
新しいことが始まるということでは、相続もそのように考えられます。お亡くなりになった方から相続人へ色々なものが移ってゆく様は、例えば3月に卒業、4月に入学する学業の移り変わりにも似ています。相続はどなたにも起こる問題です。なぜなら、両親から生まれてきて、自分の子供を授かり、そして死んでゆくという逃れられないサイクルがあるから、すべての人に起こることなのです。確かに、相続を財産にのみスポットを当ててしまうと、関係ない人が出てくるかもしれませんが、実際は財産だけでなく、もっと大きな意味で考え、亡くなった方の想いも相続出来ると素晴らしいと思います。誰でも、いつか誰かの大切なものを受け継ぎ、そして、自分の大切な何かを誰かに引き継いでもらう日は、必ずやってくることを・・・・

30.4.2
私が相続のご相談を受けた際に遺言書があったら良かったのにと思うケースがありますので、それをご紹介したいと思います。
【結婚したが子供がいない場合】
結婚して子供がいらっしゃらないご夫婦の場合は、その相続人は配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹となります(多くの場合亡くなった方の親はその前に亡くなっていることが多いと考えられます)。その相続分はそれぞれ4分の3と4分の1ですが、法定相続の場合は共有状態になり、不動産などの直接分けられないものはその共有状態を解消するのに大変苦労する場合があります。例えば、ご主人が亡くなって、遺された奥様がその不動産にお住いの場合は、その不動産の名義は奥様だけにしたいと考えます。この手続きの時にご主人の兄弟姉妹の関与が必要になります。この時疎遠にしていたり兄弟仲が悪かったりすると手続きがスムーズに進みません。なぜなら、不動産を単独所有にする遺産分割協議書への実印の押印及び印鑑証明書の交付等に時間がかかったり、不動産の持分に見合うお金と引き換え等の条件を付けられたりして手続きが出来ない場合が出てきます。法定相続人は第一が子、第二が親、第三が兄弟姉妹となっていますので、順に日頃の人間関係は薄くなってしまうのが一般的ではないでしょうか。また、兄弟姉妹の中に亡くなっている人がいるとその子供、いわば甥姪にも相続権が行きますので、なお一層難しくなります。それに、兄弟姉妹や甥姪の中に一人でも協力してもらえない人や行方が分からない人がいたら手続きは前に進みません。もちろん、裁判所を使っての遺産分割も考えられますが、そのための労力、時間、費用については、スムーズな場合と比べると数倍から数十倍になることもあります。特に精神的なダメージは大きいと思います。
そこで、亡くなる前に遺言書がありますと、相続財産の一切が奥様のものに比較的簡単になりますし、兄弟姉妹には遺留分が法律上認められていないので、そのことで揉めることもありません。
遺言書の作成は、ご自身で作ることもできますが、公正証書にて作成すると、その正当性や信憑性が自筆のものより高くなりますので、より確実な相続が出来ます。その遺言書の作成のお手伝いもしておりますので、どうぞお気軽に私に相談してください。

30.4.3

 

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2018.03.05更新

30.3.1

みなさん、お元気ですか。司法書士の藤井です。今年は、冬季オリンピックが韓国の平昌で行われ、様々な国の選手が感動を与えてくれました。九州は雪があまり降らないので、どうしても冬の種目に疎いような気がします。私も、応援はしてもいくつかの競技の詳しいルールはわかりませんでしたが、テレビ中継での説明で思わず手に汗を握ってしまう場面もありました。さて、そろそろ新しいものが芽吹く春を感じる季節となり、木々に葉が茂り花が咲きだします。人生の輪廻を感じながら、まずは遺言書の誤解についてふれたいと思います。

30.3.2
年々、遺言書についての相談が増えていますが、遺言書については「誤解」をなさっている方が少なくありません。知らなくて当然ではあるのですが・・・そのために遺言書を作ることをためらったり、作ろうと思ったらすでに手遅れだったということもあるものです。
「遺言書は作成したいけど・・・」なかなか実行に踏み切れない3つの誤解をここで解いておきましょう。

30.3.3
私たちが遺言書のお手伝いをする際、相談者の中には「遺言書を作ると、財産が自由に使えなくなるから困る」と言う方がいらっしゃいます。もし、遺言書に「全財産を●●に相続させる」と書いたとしても、その時点から自分の財産が自由に使えなくなるわけではありません。ここでいう「全財産」は死亡時点で残された財産のことなので、遺言書を書いても、生きているうちに財産をどう使おうとあなたの自由なのです。
また、遺言書に書いた財産の状況が後で現実と大きく異なる場合には、遺言書を書き直すことが出来ます。ですから、「今」の現状と心境で想いを見える形に残すことを考えましょう。

30.3.4
「法律どおりに分ければよいのだから、遺言書はいらない」「遺言書を残したところで法律のとおりにしかならない」という思い込みはありませんか?
確かに法律上、相続人はそれぞれ相続できる取り分(法定相続分)が決まっています。例えば夫が亡くなると、妻は2分の1、子供は2分の1をそれぞれ相続する権利があります。しかし、これはあくまでも建前であって・・・実際は、相続人同士で話し合いがつけばどのように財産を分けても自由です。
法定相続分は、遺産を分ける際に何も決まらなかった時の基準。財産の中には不動産や借金などもあり、単純に法定相続分で分けようとすると、住むところを失う人が出るなど、何らかの支障をきたす場合があります。
「法律どおりに分ければ問題ない」と安易に考えず、それぞれの相続人の生活を考慮した遺言書を残すことが望ましいといえるでしょう。

30.3.5
遺言書を作ると、相続税がかかると思っていませんか?それは全くの誤解で、遺言書を作っただけでは税金はかかりません。但し、遺産の金額や分け方によっては、将来に相続税が発生する可能性がありますので、心配な方は専門家にご相談なさることをお勧めいたします。
私どももご相談に応じておりますので、もし不安な方はお気軽にご相談下さい。

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2018.02.14更新

30.2.1

こんにちは。司法書士の藤井です。今年は寒い日が続いています。インフルエンザも流行っているので、皆様も健康に留意して、この寒い冬を乗り切ってください。
ところで皆さん、「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」というのをご存知ですか?一粒の籾(もみ)が万倍にも実る稲穂になることから、「手元にあるわずかな物で始めた事が何倍にも膨らむ」とされ、新しい物事を始めるにはもってこいの日というわけです。一粒万倍日は何事を始めるにも良い日とされ、特に仕事始め、開店、種まき、お金を出すことに吉であるとされます。但し、借金や物を借りたりすることは苦労の種が万倍になるので凶とされます。ちなみに、今年2018年2月の一粒万倍日は、1日(木)、7日(水)、14日(水)、19日(月)26日(月)。縁起担ぎで何かをしてみるのもいいですね。

30.2.2

1月号のコラムで遺言書を書くための鉄板ルールについてふれましたが、遺言書は、「便箋と封筒、消えにくいボールペンや万年筆、印鑑+朱肉」があればどなたでもスグに書くことができます。
遺言書の書きなおしは何度でもできますが、間違うと訂正が大変なのでまずは、「あなたが誰に何を伝えたいか(残したいか)」を整理することが大切です。この機会に「もし自分だったら・・」と考えてみましょう!
【直筆遺言作成のポイント】
■タイトルから本文、日付、氏名はすべて自署します。
■財産の分け方については、自分の財産は何か、誰に相続させたいかを具体的に示しましょう。
■人について書くときは、特定できるように続柄、フルネーム、生年月日などを明記します。
■手続きをスムーズにするために、遺言執行者は指定しておきましょう。
■家族へのメッセージも残すことができます。付言事項に明記しておきましょう。

30.2.3

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2018.02.08更新

30.1.1.1新年あけましておめでとうございます。
2018年が皆さんにとって実り多き一年でありますようスタッフ一同お祈りいたしております。
今年も相続について様々な事例にふれてまいります。相続という縁遠く感じるものが皆さんにとって大切な人のことを考えるきっかけになれば幸いです。
30.1.2年の始まりに、抱負を立てた方も沢山いらっしゃると思いますが、元旦、新年度(4月)、誕生日など「節目」に目標を立てることは、それまでの自分自身を見返し、これからの自分を想像し、目標達成のために努力する良い機会だと言えます。
一日のスタートは朝、一年のスタートは元旦。一生のスタートは、誕生日。自分自身をリセットする節目を決めて実行を継続していきたいものですね。
私どものお客様の中には、元旦に大切な家族への想いを整理し、遺言書を見直すという方がいらっしゃいます。『遺言を書くなんて、お金持ちで高齢の方に違いない・・』と大半の方が思われるかもしれませんが、そんな方達ばかりではありません。中には50歳で健康にも特に問題はなく、奥様と3人のお子さんと平穏な家庭をお持ちの会社員の方もいらっしゃいます。最近は、新聞やテレビで遺言書について取り上げられることが多くなり、実際には年齢を問わず遺言書を作成される方たちは増えてきました。
30.1.3遺言書は、家族や大切な人のために書くものです。「まだ若いから・・・、家族とトラブルはないから・・・、特に財産はないから・・・」と思う方も多いかもしれません。でも、いざとなったときには遅いという場面にいままで私も数多く直面してきました。そんなとき皆さんがおっしゃる言葉が、「もっと早く準備しておけばよかった・・・」「もっと早く相談しておけば・・・」なのです。30.1.5

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2018.02.08更新

30.1.1.1新年あけましておめでとうございます。
2018年が皆さんにとって実り多き一年でありますようスタッフ一同お祈りいたしております。
今年も相続について様々な事例にふれてまいります。相続という縁遠く感じるものが皆さんにとって大切な人のことを考えるきっかけになれば幸いです。
30.1.2年の始まりに、抱負を立てた方も沢山いらっしゃると思いますが、元旦、新年度(4月)、誕生日など「節目」に目標を立てることは、それまでの自分自身を見返し、これからの自分を想像し、目標達成のために努力する良い機会だと言えます。
一日のスタートは朝、一年のスタートは元旦。一生のスタートは、誕生日。自分自身をリセットする節目を決めて実行を継続していきたいものですね。
私どものお客様の中には、元旦に大切な家族への想いを整理し、遺言書を見直すという方がいらっしゃいます。『遺言を書くなんて、お金持ちで高齢の方に違いない・・』と大半の方が思われるかもしれませんが、そんな方達ばかりではありません。中には50歳で健康にも特に問題はなく、奥様と3人のお子さんと平穏な家庭をお持ちの会社員の方もいらっしゃいます。最近は、新聞やテレビで遺言書について取り上げられることが多くなり、実際には年齢を問わず遺言書を作成される方たちは増えてきました。
30.1.3遺言書は、家族や大切な人のために書くものです。「まだ若いから・・・、家族とトラブルはないから・・・、特に財産はないから・・・」と思う方も多いかもしれません。でも、いざとなったときには遅いという場面にいままで私も数多く直面してきました。そんなとき皆さんがおっしゃる言葉が、「もっと早く準備しておけばよかった・・・」「もっと早く相談しておけば・・・」なのです。30.1.5

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2017.12.14更新

29.12.1

 “光陰矢の如し”とはこのことだと一年のうちで一番感じる師走です。今月は、仕事も忙しくなりますが、忘年会やクリスマス、そして新年の準備と公私に渡って行事ごとが多くて、忙しさに拍車をかけますね。そんな中でゆっくり考える時間は無いのかもしれませんが、ほんのちょっとだけでも、立ち止まって考えてみませんか。まずは考える種を撒きましょう。それが、新年の頃に芽が出てくるかもしれません。その考える種とは、広い意味の「相続」のことです。漠然とでいいですから、考えてみませんか・・・世代を超えた未来のことを。

29.12.2
 今回の相談者は、川野範子さん(仮名・63歳)です。範子さんの夫の和夫さん(仮名・享年66歳)は、半年前に亡くなったので、夫名義の土地建物について、その所有名義を妻である範子さんに変えてほしいとのことでした。そこで、相続人が誰になるか調べるために、範子さんに次のことを尋ねました。遺言書の有無、子供や親兄弟のこと等です。すると、遺言書はなく、子供がいないとのこと。ご両親もかなり前に亡くなっていて、ご兄弟関係を聞くと、3名の方がいるとのことでした。相続人は配偶者の範子さんとこの兄弟姉妹3名となります。そこで、自宅の名義を範子さんにするには、先ほどの相続人全員で遺産分割協議を行わなければなりません。
 私は、範子さんの依頼により、和夫さんの出生から死亡までの戸籍とご両親の出生から死亡までの戸籍及びご兄弟の戸籍を取り揃えました。すると、和夫さんの弟になる隆さん(仮名)の住所が分かりません。行方不明として戸籍の附票が消除されていたのです。この隆さんは、一度も結婚せず、かつ子供もいませんでした。他の兄弟や親戚に行方を聞いても全くわからないとのことでした。
 範子さんには、相続人全員の協力が得られないと登記が出来ないことは事前に話していたので、義弟が行方不明と聞いて途方に暮れていました。そこで、私の方から提案したのが、失踪宣告の申立です。失踪宣告されると死亡したものとみなされるので、相続手続きを進めることが出来ることを説明しました。行方不明になってから7年以上が経っていることと範子さんが利害関係人になるので、家庭裁判所に対して失踪宣告の申し立てをしました。この失踪宣告の申し立てにより、失踪宣告されるまでの期間はおよそ8ヶ月かかります。その期間が過ぎると失踪宣告が確定し、裁判所より隆さんの本籍地の市町村に失踪宣告が通知されます。すると、隆さんの生存確認の日から7年後に死亡したものとみなされて、その記載がされました。
 隆さんの死亡したとみなされた日は、和夫さんの死亡の日より前になり、隆さんは相続人から外れますので、現在の残っている兄弟2人と妻の範子さんで遺産分割協議して、自宅の名義を範子さんに変更しました。最初の相談の時より1年半の期間がかかりました。
 もし、和夫さんが遺言書を遺していたら、こんな面倒で時間がかかる手続きをしなくて済んだ事例です。自分の親族状況を少し考慮すると、遺された大切な人が大変な思いをしなくて済みますので、是非ご一考下さい。

29.12.3

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2017.11.06更新

29.11.1

こんにちは、司法書士の藤井です。日頃会えない皆さんお元気ですか。今年は夏がとても雨が多かったですね。そのせいか秋の清々しい晴れ間も9月や10月では少なく、秋も深まる10月下旬に台風まで来て散々な秋の空でした。11月の天候に期待したいです。一日の寒暖差が大きい秋ですし、天候も夏から不順なようですので、体調に気を付けてお過ごしください。
少し早目ですが、今年一年を振り返る中に、ちょっとでも自分の死後の様子を考えてみるのもいいかと思います。今の自分の状況から死後のことを考えてみると、忙しい中に落ち着く時間が生まれるかもしれません。

29.11.2
遺言がないと特に揉める例の一つとして、直系卑属がいない場合があります。いわば、子や孫の下の世代に相続されないと、次は上の世代である親や祖父母となり、多くの場合すでに他界されていることでしょうから、最後は横の世代である兄弟姉妹に引き継がれることになります。
今回のご相談者は、清水美穂子さん(仮名・80歳)もそのような事例でした。私が清水さんのご主人である純夫さん(仮名)から成年後見の相談を受けたのは平成10年でした。「自分たちには子供がなく、高齢の義母と同居しているが、相続の問題もあるので相談したい。」とのことでいた。それから毎月ご夫婦と面談を重ねて、最初にご主人の「財産管理契約」、「任意後見契約」「遺言」と徐々に”その時点で必要な支援”をしていました。その後、義母が亡くなり、そして純夫さんも亡くなりました。美穂子さんだけとなり、数年が経ったときに「そろそろ遺言を作りたいのです。なぜなら、主人が亡くなった時には、遺言があったので不仲の兄弟がいましたが、争いもなく相続できました。私の時も遺言を書くことで争いなく相続してほしいのです。」と申し出があったので、美穂子さんがお世話になった人に自分の財産を渡す内容が作られました。この時点で美穂子さんには「相続人」は存在せず、すべてが遺贈という形で相続が予定されていました(つまり、遺言がないと、全財産が国にもっていかれる事例となっていました)。
遺言作成後、数年後に美穂子さんも亡くなるのですが、亡くなる前は認知症で、笑顔は出るのですが、日常会話が出来ず、この時点の遺言作成は難しかったと思われます。美穂子さんが早めに遺言を作成していたことで、その後の遺言執行も無事に終えることが出来ました。
この例は、一見何でもないように感じられるかもしれませんが、「巧くいった事例」とは、このように何事もなかった事例になるのです。ご主人の相続の時に遺言がなかったら、不仲の兄弟と美穂子さんとの話し合いで上手くいったでしょうか。そして、美穂子さんの相続の時に遺言がなかったら、お世話になった方々に感謝を十分に伝えられたでしょうか。今月は、早めの遺言作成が多くのトラブルを避けることが出来るという一例としてご紹介させていただきました。

29.11.3

 

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2017.10.16更新

2017.10.1

足早に季節は変わり、もう10月です。今年は、水害の地域があり、暑い夏で残暑も厳しく、そして長く続いていましたが、ここ最近はすっかり秋の気配に変わり、朝晩は肌寒いほどに冷え込むことが多くなりました。寒暖差が激しいので、体調には気をつけて過ごしましょう。
秋晴れの夜は月がきれいですね。中秋の名月は、今年は10月4日とのこと・・・。このような美しい月を愛でる文化も日本独特の様な気がします。ゆっくりと月を眺めながら、悠久の時を思うとき、人間の営みの中で、必ず次世代に繋がなければならない場面があることを考えます。それこそが「相続」ではないでしょうか。流れゆく季節の中で、「相続」をちょっとだけ考えてみませんか・・・

2017.10.2
 今日の相談者は、君嶋満寿男さん(仮名・45歳)です。3か月ほど前にお父様が他界されて、遺言書があるので、不動産の名義を書き換えてほしいといらっしゃいました。遺言書による所有権移転登記については、日頃から遺言書の作成のお手伝いや遺言執行者の就任、遺言執行等々をやった後に、不動産を所有する場合は必ずする手続きですので、特に珍しいものではありません。なぜ、このコラムに掲載したかと言うと・・・ちょっと「良い話」があったからです。遺言書を多く拝見する私たちは、その多くが遺産をどのように分けるかということだけを書いてあるものばかりです。確かに、実際上は遺産の分け方が問題の中心ですので、どうしてもそのことだけに焦点が当たってというか、それだけに当ててしまっています。この君嶋さんの依頼で渡された遺言書には、普通は見ることが少ない言葉が書いてありました。それは・・・遺される人々への感謝や労いそして遺された人に対する希望が入っていたのです。
 この遺言書は、当然、遺産の分け方も書いてありますので、それを忠実に不動産の登記に反映させましたが、最後に述べられていた本人の言葉に、暫しの感動を覚えました。他人である私が感動する位ですので、遺族の方々はどれだけ感慨深いものだったか想像に難くないでしょう。ご来所された君嶋さんは、お父さんの最後の言葉通りの処分を望まれ、また、強い本人の意思に遺族全員が一つになれたとおっしゃいました。死後の手続き等が厳かにそして恙無く執り行われ、遺族の全員が満足した顔であったとのことでした。遺産の分け方については、他人の私が見ても、とても平等とは言えませんでしたが、それでも、なんの争いもなく進んで、最後に不動産の手続きに当事務所に来られたのです。
 しっかりと想いが次の世代に伝わった一例ですが、是非、遺言書を書く機会があったら、遺された人にしっかりと気持ちを伝えられるように、自分の意思と感謝と希望を表明されるといいのではないかと思った次第です。それが、きちんと伝わったときは、本人の一番望む形になることでしょう。そして、遺された人々の悲しい気持ちを晴れやかなものに変えていくに違いありません。是非、気持ちも一緒に遺しませんか?

2017.10.3

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

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