スタッフブログ

2017.11.06更新

29.11.1

こんにちは、司法書士の藤井です。日頃会えない皆さんお元気ですか。今年は夏がとても雨が多かったですね。そのせいか秋の清々しい晴れ間も9月や10月では少なく、秋も深まる10月下旬に台風まで来て散々な秋の空でした。11月の天候に期待したいです。一日の寒暖差が大きい秋ですし、天候も夏から不順なようですので、体調に気を付けてお過ごしください。
少し早目ですが、今年一年を振り返る中に、ちょっとでも自分の死後の様子を考えてみるのもいいかと思います。今の自分の状況から死後のことを考えてみると、忙しい中に落ち着く時間が生まれるかもしれません。

29.11.2
遺言がないと特に揉める例の一つとして、直系卑属がいない場合があります。いわば、子や孫の下の世代に相続されないと、次は上の世代である親や祖父母となり、多くの場合すでに他界されていることでしょうから、最後は横の世代である兄弟姉妹に引き継がれることになります。
今回のご相談者は、清水美穂子さん(仮名・80歳)もそのような事例でした。私が清水さんのご主人である純夫さん(仮名)から成年後見の相談を受けたのは平成10年でした。「自分たちには子供がなく、高齢の義母と同居しているが、相続の問題もあるので相談したい。」とのことでいた。それから毎月ご夫婦と面談を重ねて、最初にご主人の「財産管理契約」、「任意後見契約」「遺言」と徐々に”その時点で必要な支援”をしていました。その後、義母が亡くなり、そして純夫さんも亡くなりました。美穂子さんだけとなり、数年が経ったときに「そろそろ遺言を作りたいのです。なぜなら、主人が亡くなった時には、遺言があったので不仲の兄弟がいましたが、争いもなく相続できました。私の時も遺言を書くことで争いなく相続してほしいのです。」と申し出があったので、美穂子さんがお世話になった人に自分の財産を渡す内容が作られました。この時点で美穂子さんには「相続人」は存在せず、すべてが遺贈という形で相続が予定されていました(つまり、遺言がないと、全財産が国にもっていかれる事例となっていました)。
遺言作成後、数年後に美穂子さんも亡くなるのですが、亡くなる前は認知症で、笑顔は出るのですが、日常会話が出来ず、この時点の遺言作成は難しかったと思われます。美穂子さんが早めに遺言を作成していたことで、その後の遺言執行も無事に終えることが出来ました。
この例は、一見何でもないように感じられるかもしれませんが、「巧くいった事例」とは、このように何事もなかった事例になるのです。ご主人の相続の時に遺言がなかったら、不仲の兄弟と美穂子さんとの話し合いで上手くいったでしょうか。そして、美穂子さんの相続の時に遺言がなかったら、お世話になった方々に感謝を十分に伝えられたでしょうか。今月は、早めの遺言作成が多くのトラブルを避けることが出来るという一例としてご紹介させていただきました。

29.11.3

 

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2017.10.16更新

2017.10.1

足早に季節は変わり、もう10月です。今年は、水害の地域があり、暑い夏で残暑も厳しく、そして長く続いていましたが、ここ最近はすっかり秋の気配に変わり、朝晩は肌寒いほどに冷え込むことが多くなりました。寒暖差が激しいので、体調には気をつけて過ごしましょう。
秋晴れの夜は月がきれいですね。中秋の名月は、今年は10月4日とのこと・・・。このような美しい月を愛でる文化も日本独特の様な気がします。ゆっくりと月を眺めながら、悠久の時を思うとき、人間の営みの中で、必ず次世代に繋がなければならない場面があることを考えます。それこそが「相続」ではないでしょうか。流れゆく季節の中で、「相続」をちょっとだけ考えてみませんか・・・

2017.10.2
 今日の相談者は、君嶋満寿男さん(仮名・45歳)です。3か月ほど前にお父様が他界されて、遺言書があるので、不動産の名義を書き換えてほしいといらっしゃいました。遺言書による所有権移転登記については、日頃から遺言書の作成のお手伝いや遺言執行者の就任、遺言執行等々をやった後に、不動産を所有する場合は必ずする手続きですので、特に珍しいものではありません。なぜ、このコラムに掲載したかと言うと・・・ちょっと「良い話」があったからです。遺言書を多く拝見する私たちは、その多くが遺産をどのように分けるかということだけを書いてあるものばかりです。確かに、実際上は遺産の分け方が問題の中心ですので、どうしてもそのことだけに焦点が当たってというか、それだけに当ててしまっています。この君嶋さんの依頼で渡された遺言書には、普通は見ることが少ない言葉が書いてありました。それは・・・遺される人々への感謝や労いそして遺された人に対する希望が入っていたのです。
 この遺言書は、当然、遺産の分け方も書いてありますので、それを忠実に不動産の登記に反映させましたが、最後に述べられていた本人の言葉に、暫しの感動を覚えました。他人である私が感動する位ですので、遺族の方々はどれだけ感慨深いものだったか想像に難くないでしょう。ご来所された君嶋さんは、お父さんの最後の言葉通りの処分を望まれ、また、強い本人の意思に遺族全員が一つになれたとおっしゃいました。死後の手続き等が厳かにそして恙無く執り行われ、遺族の全員が満足した顔であったとのことでした。遺産の分け方については、他人の私が見ても、とても平等とは言えませんでしたが、それでも、なんの争いもなく進んで、最後に不動産の手続きに当事務所に来られたのです。
 しっかりと想いが次の世代に伝わった一例ですが、是非、遺言書を書く機会があったら、遺された人にしっかりと気持ちを伝えられるように、自分の意思と感謝と希望を表明されるといいのではないかと思った次第です。それが、きちんと伝わったときは、本人の一番望む形になることでしょう。そして、遺された人々の悲しい気持ちを晴れやかなものに変えていくに違いありません。是非、気持ちも一緒に遺しませんか?

2017.10.3

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2017.09.14更新

2017.9.1

 今年は、九州北部の福岡県では朝倉・東峰地区、大分県では日田地区で大雨での河川の氾濫による水害が発生し、多くの方が大変な被害に遭いました。この夏は日本全国で、大雨による水害が報道されています。一回に降る雨の量がとても多くなっているのが特徴の様で、大きな被害が出ているようです。特に私のいるところは朝倉・東峰地区が近いのですが、亡くなった方のご冥福を祈るとともに、被害に遭った方全員の一日も早い復旧・復興を願わずにはいられません。9月になって、夏の暑さも少しずつなくなっていくのでしょうが、まだまだ残暑厳しい日もありますので、体調には十分に気をつけてお過ごしください。

2017.9.2
今回の相談者は、本田美佐子さん(仮名・70歳)です。美佐子さんの夫泰三さん(仮名・享年75歳)は、半年前に亡くなり、泰三さんの公正証書による遺言書を持ってこられて、それに基づいて自宅の土地と建物を美佐子さんの名義にしました。
美佐子さんは、この前に相談に一度訪れていらっしゃいます。それは何かというと・・・美佐子さんと泰三さんの間には子供がいません。そこで、ご主人にもしものことがあると遺産はどうなるのかということを知りたくて、私のところに相談しにいらっしゃいました。お話を詳しく聞いて、ご主人の亡き後の相続は、法定相続ならば美佐子さんが4分の3とご主人の兄弟が4分の1になることを説明しました。ご主人の兄弟は二人の弟さんがいるとのことですが、ご主人との仲が決して良いとは言えず、もし泰三さんの遺産の事で美佐子さんがこの弟さん達と話し合うことがとても不安でした。特に自宅については、ご主人と一緒に一生懸命働いて生涯の安住の地として買い求めたものであるので、もし自分のものにならなかったらと考えると夜も寝られないくらい不安とのことでした。私は、それであれば、泰三さんに公正証書による遺言書を書いてもらうと、兄弟姉妹相続には遺留分がないので、自宅も「美佐子さんに相続させる」とすれば、弟さん達の協力なしに遺言書のとおりになることを説明しました。すると安心した顔で、「主人に話してみます」と言って帰られました。
 この度の相談の時に、あの日帰ってからのことを美佐子さんは話されました。帰ってから遺言書の作成をお願いしてみると、泰三さんは「そんなに早く俺に死んでもらいたいのか」と急に怒り出してしまい、美佐子さんは遺言書の話ももう出来なくなったと思い途方に暮れ、日々不安な毎日を過ごしていたそうです。それからおよそ1年後に、急に泰三さんが遺言書を作成すると言い出したのです。恐る恐るその訳を聞いてみると、泰三さんの友人が自分の親の相続で揉めていることと、遺言書があったら兄弟と争わずに手続きが出来たことを聞いたとのこと。それで前に美佐子さんが言っていたことを思い出して、遺言書の作成に前向きになれたとのことでした。
 私たち専門家は遺言書の重要性を知っていますが、遺言者(この場合は泰三さん)の気持ちも十分に分かります。人は心の整理がつかないと前には進めないのです。是非、早めにご相談頂ければ不安な心を少しでも和らげることができると思います。

2017.9.3

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2017.08.10更新

2017.8.1

今年は、九州北部は朝倉市と東峰村、それから日田市とその周辺にまで大きな被害を与えた集中豪雨がありました。災害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。暑い日が続きますが、復旧・復興に頑張っておられるボランティアの方々を含む関係者の皆様には、くれぐれもお体に気を付けて、被災地が一刻も早く復旧しますことをお祈り申し上げます。
 8月と言えば、お盆で亡きご先祖さんを偲んで過ごす日があります。こういう時に、自分自身の亡き後を考えてみるのもいいかと思います。どんな来世を望んでいるかを考えて、紙にしたためてみると・・・それが、遺言の原案になるのではないでしょうか。

2017.8.2
 今回の相談者は、米本 寿さん(仮名)70歳。寿さんはもともと一人っ子で、両親はずいぶん前に他界。長年連れ添ってきた妻の喜久子さんも先日亡くなって、子供もいないので、本当に天涯孤独の一人になってしまいました。近所に遠縁の親戚は住んでいて交流はあるものの、もし寿さんに万が一のことが起きれば、相続人は誰もいないことに・・。「もう一人だし、自分が死んだときのことはあまり考えていなかったんですが・・先日、うちの近所の85歳の女性が亡くなって一億の遺産が、遺言書を残しておかなかったために、国庫に納められたと聞いて・・もうビックリで。財産が国のものになるなんて嫌だ。せめて自分によくしてくれた方に譲りたいけど、できますか」とのこと。たしかに、相続人がいない場合、特別縁故者(※)もいなければ、遺産は国のものになってしまいます。せっかく築いてきたものが淡々と処理され、あまり親しくなかった方や国に渡ってしまうのです!それならば、生前お世話になった方へ差し上げたいと思うのが人情ですよね。そこで、私は、米本さんに公正証書による遺言書の作成を勧めました。相続人がいないか、居ても縁が遠い場合は、遺言書による処分が一番スムーズであろうと考えたからです。米本さんは早速この手続きをして、安心して生活されています。
 このように、“特別世話になった人に寄贈したい”とか、“お寺や教会、社会福祉関係の団体に寄付したい”など思われる場合にはその旨の遺言を残しておくことが大切です。遺言書は何度でも書きなおしができるため、自分の人生を振り返る時間があるときにこそ、想いを整理してはいかがでしょうか。
 ※特別縁故者とは、亡くなった方の財産を何らかの縁故関係のある人に取得させるのが望ましいという観点から作られた制度で、次のような方がそれに該当します。○ 被相続人と生計を同じくしていた者 ○ 被相続人の療養看護に努めた者 ○ その他被相続人と特別な縁故があった者 ただし、特別縁故者として認められるのは、とても難しいのが実情です。

2017.8.3

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2017.07.13更新

2017.7.1

今年の夏は、猛暑と予想されていますが、どうなるんでしょうか。梅雨真っ盛りの6月の雨が少ないようですし、このまま7月も少雨だと水不足の予感・・・当たらなければいいのですが・・・福岡に長く住んでいると、はるか昔の水不足による断水の記憶が蘇ります。ただ、あまりにたくさんの雨が降ると、河川が氾濫したりして、いろんな被害が発生してしまいますので、適度に雨が降ってほしいものです。
 まだ本格的な夏はやってきていませんが、今後はどんどん暑くなると思いますので、熱中症に気をつけてこの夏を乗り切りましょう。

2017.7.2
 今回の相談者は、本城豊さん(仮名・65歳)です。豊さんは半年前に妻である幸子さん(仮名・享年70歳)と死別しました。その時の幸子さん名義の不動産の事で、私の事務所を訪れたのです。
 相談内容は、自宅の名義が豊さんと幸子さんの半分ずつの共有になっているので、これを豊さん一人の名義にしたいとのことで、豊さん以外の相続人はどなたになるのかと尋ねると、豊さんと幸子さん夫婦には、子供がいないとのこと。念のためご両親について尋ねると、幸子さんのご両親は10年以上前に亡くなっていて、幸子さんの兄弟姉妹が4人いるので、その方々が相続人とのことでした。もし、遺言書があれば・・・と思いましたが、それらしきものはないとのこと。そこで、豊さんに、幸子さんのご兄弟さんに協力して頂いて、不動産はすべて豊さんの名義にするという遺産分割協議書に署名捺印をしてもらうように話しました。その時、豊さんより、「実は、私と幸子が結婚するときに猛烈に反対した義弟がいて、今でもその義弟とは仲が悪く、犬猿の仲といってもいいくらい」で、よくよくお話を伺うと、ご兄弟の内で協力してくれそうな人はいそうにないとのことでした。それでも、一度は話をした方がいいのではないかと、豊さんは、遺産分割の話を義弟さんに持って行ったところ、案の定、法定相続分を要求され、さらに他に預金等の相続財産もあるのではないかとして、全く話し合いになりませんでした。それで、仕方なく家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることにしました。
その申し立てより2年後に豊さんから登記のご依頼があったので、後日談を聞いたところ、調停成立まで1年半かけて、不動産は豊さんが相続し、その対価として、兄弟に相続分に相当する金銭を支払ったとのことです。兄弟仲は悪いままで後味の悪い結末だったとのことでした。もし、幸子さんが、ご自身の相続人との関係や、兄弟間の不仲、或いは自宅が共有であることなどの事情を考えて、専門家にでも相談していたら、争わないでよかったことでしょう。
 私たちは、相続の現場を多く見てきて思うのは、亡くなる方の意思をしっかりと残しておくことの大切さです。遺言書という、法律上一番強く守られる形がいいのですが、それでなくても、遺された人に対する想いを伝えることができると争い事はかなり少なくなるのではないかと確信しております。心当たりのある方は、是非専門家の門を叩いて、遺された方への想いを形にしませんか。2017.7.3

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2017.06.15更新

2017.6.1

毎年くる梅雨はジメジメして、蒸し暑いので体調管理が難しい季節ですね。しかし、福岡は雨の日が十分にないと夏になって水が不足する事態にもなりやすい都市ですので、この時期に十分に雨が降ると、安心して夏から以降を過ごせます。今年は、梅雨入りは少し遅かったようですが、入った途端晴れているようで、雨の量が心配になってきます。どうか「適量に」雨が降りますように・・・
 遺言書を作成するのにも手続きが必要ですが、一番大事なのは作成者本人の意思です。これが困難だと作成そのものが出来ません。以下に、最近の高齢化社会に際しての典型的な事例をご紹介します。

2017.6.2
今回の事例は10年前のことをお話ししたいと思います。遺言書作成の依頼主は柿山美智子さん(仮名・70歳)。その内容は、夫の敦さん(仮名・83歳)の認知症が少しずつ進行しているため、この際遺言書を作成したいとのことでした。ご夫婦の一人息子さんは不慮の事故で亡くなられており、このままだと法定相続人は、奥様とご主人の疎遠な兄弟となってしまいます。そのことから、ご主人が死んだ後のことを考えて、依頼者が静かに暮らせるようにと、この度の遺言書作成を決断されたのでした。
 実際に敦さんとお会いして、感じたことは、確かに認知症を患ってはいらっしゃいますが、緊急を要するほどでもないというのが、私の第一印象でした。比較的しっかりしておられたと記憶しています。ただし、敦さんは最近、他の病気の影響で、発語が不自由となり、美智子さんが「リハビリのため、言葉の練習をさせています。」と言われました。私は、緊急を要さないのと、氏名・住所・生年月日と「全ての財産を妻に相続させる」との簡単な内容でもあり、敦さんも内容はよく理解しているようでしたので、焦らせることもないだろうと、私は、「夫婦でごゆっくり、リハビリを楽しんでください」と言い残して、適当なところで奥様より連絡があるだろうと思って、暫くこちらからは連絡を取らなかったのです。
 それから、数週間が経ったある日、美智子さんから連絡があり、「最近、主人の認知症が進んできているみたいなので、遺言書作成を急ぎたい」とのこと。すぐに私はご自宅に伺い、敦さんと話してみると反応が以前と明らかに違いました。「数週間でこんなにも病状が変化するなんて・・・」と大変驚きました。奥様に、すぐに遺言書作成の手配をすることを告げて、この日は帰りました。
 翌日、公証人に無理を言って、最短で遺言書が作れる日程を打ち合わせました。幸い、2日後には予定が取れるとのこと。すぐに、その予定で敦さんの自宅に行く準備をして、出張での公正証書による遺言書作成を行い、無事に作成することが出来ました。しかし、この時面談した公証人からは、「遺言書の意思確認としてはギリギリでしたね」と言われてしまいました。
 高齢者で、病気を持っておられて、認知症が若干でもある方は、なるべく早い対処が必要な例でした。数日で本人の状況が変わることがあるということです。思い立ったら、出来るだけ早く実行するのは遺言書作成にもあてはまりますね。

2017.6.3

 

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2017.05.31更新

2017.5.1

新緑の季節となりました。周りの木々は、柔らかい緑を芽吹き、何かこうフレッシュな気持ちを起こさせますね。そして、夏に向けて勢いよく伸びる様は、日々の生活の中で勢いをつけさせてくれそうです。
何の変哲もない季節の移り変わりのようですが、まったく同じ時間はやってこないことも事実・・・そして、世代をつないで次の季節がやってきます。そのつなぎ目こそが相続ではないでしょうか。
流れ去る時間の中で、相続をちょっとだけ考えてみませんか・・・2017.5.2

今日の相談者は、桜木京子さん(仮名・58歳)です。3か月ほど前にお父様が他界されて、その亡くなる直前で言われたことで、当事務所を訪問されました。それは、お父様から他に姉がいることを告げられたというのです。相続する不動産といくらかの預金がありますが、それをどうしたらいいのかということでした。初めて耳にする異母兄弟に不安がいっぱいというお顔でした。すぐに戸籍等を取り寄せて相続人を調べますと、確かに前妻との間に子供さんがいらっしゃいました。しかも、住んでいるところは桜木さんの近所なのです。さっそくそのことを桜木さんに告げると、すぐにそのお姉さんのもとに会いに行かれました。そこで、父親が亡くなったことや相続の件をお話になると、なんとその方はこう言われたのです。「お家に行ってお悔やみを言わせて下さい。そして、その時に必要な書類を準備しますので、すぐに手続きをしましょう。」と・・・私は、桜木さんからその連絡をもらってすぐに必要な書類を準備して渡しました。
その数日後、依頼者は書類をもって私のもとに・・・相続による不動産の登記手続きは無事に終わり、不動産は桜木さんの名義になりました。そこで、権利書を渡す時に言われた言葉が感動的です。「今度のことで新たに分かったお姉さんより『今まで姉妹がいなくて寂しかったけど、ここにきて素晴らしい妹がいることが分かりました。これから姉妹として仲良く付き合っていきましょう』と言われたんです。父親がつないだ絆ですね。大切にしていきたいと思います。」なんという姉妹愛なのでしょう。お父様の生前の行いが目に浮かぶようです。
このような事は、数多くあるわけではありません。多くは遺産の分け前についてどうするかに関心が強く、今後のお付き合いまで気が回らないことが普通でしょう。あるいは、今までの人間関係に拘るあまり、新たな人間関係を構築するのが難しいと考えるでしょう。しかし、これは、遺言ではありませんが、父親が亡くなる前にちゃんと話したことが・・・想いを伝えたことが、その後の感動的な人間関係を作ったと思います。話して伝えることは、そのタイミングが難しいですが、遺言書にしたためることは比較的容易かもしれません。是非、想いを伝えてみませんか。2017.5.3

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2017.04.04更新

29.4.1

新年度の始まる4月ですね。今年は桜の開花が去年より遅いのか、4月の入学式には、もしかしたら丁度いい頃合いなるこもしれません。それよりも、東京では福岡より早く満開とのこと。桜の咲く時期も、場所によって年々違うんですね。新しいことが始まるということでは、相続もそのように考えられます。お亡くなりになった方から相続人へ色々なものが移ってゆく様は、例えば3月に卒業、4月に入学する学業の移り変わりにも似ています。相続はどなたにも起こる問題です。なぜなら、両親から生まれてきて、自分の子供を授かり、そして死んでゆくという逃れられないサイクルがあるから、すべての人に起こることなのです。確かに、相続を財産にのみスポットを当ててしまうと、関係ない人が出てくるかもしれませんが、実際は財産だけでなく、もっと大きな意味で考え、亡くなった方の想いも相続出来ると素晴らしいと思います。誰でも、いつか誰かの大切なものを受け継ぎ、そして、自分の大切な何かを誰かに引き継いでもらう日は、必ずやってくることを・・・・

29.4.2

今回の相談者は、平田和恵さん(仮名・75歳)です。和恵さんのお兄さんである平田徹さん(仮名・享年80歳)が亡くなったことによる相続手続きのことで当事務所にいらっしゃいました。徹さんは、介護施設で亡くなりましたが、その徹さんが亡くなるまで、長期間にわたりお世話していたのが妹の和恵さんというわけです。
そこで、当事務所への相談というのは、徹さんの遺産(預金と不動産)を全て和恵さんが相続したいということでした。徹さんは生涯独身で、子供がいませんでした。当然徹さんの両親も亡くなっていましたので、兄弟姉妹相続ということになります。徹さんの相続人であるご兄弟は、和恵さんの他に末妹の幸子さんと長兄の哲也さんがいるのですが、哲也さんは早くに亡くなっており、その子供が一人、姪の久美さんがいます。ただし、久美さんとは久しく交流がないとのことでした。和恵さんに遺言書について尋ねると、遺言書は作成していないとして、相続人全員による遺産分割にて、和恵さんに遺産の全部を相続させることにしました。この時に和恵さんには各相続人に事情を話して、納得してもらうようにと申し上げました。
しかし、妹の幸子さんは快く応じてくれたのですが、姪の久美さんがどうしても納得してもらえません。結局、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることにして、一年を要しましたが、久美さんにある程度の現金を渡すことで、相続することが出来ました。これは、結果的に相続できたからいいのですが、たくさんの相続人が現れる事案もあります。そうなると、遺産分割そのものが難しくなったり、分配するための費用が多額にかかる場合もあり、現実的には相続できない場合もあります。
遺産分割協議には、相続人全員の協力が必要です。一人でも異議を述べるとできなくなります。兄弟姉妹相続については、どうしても被相続人と縁遠い人も含まれることが多いので、どうしてもスムーズに解決しません。一人が権利主張をすると全員が・・・となって、最後は裁判所の力を借りなければならなくなります。
もし、徹さんが遺言書を作っていれば、スムーズに相続手続きができました。兄弟姉妹相続には、遺留分がないので、遺言書通りの分配がしやすいのです。兄弟姉妹の相続になりそうなときで、死んだ後に譲りたい人がいる場合は、遺言書を作成することが賢明だと思います。

29.4.3

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2017.03.08更新

29.3.1

みなさん、お元気ですか。司法書士の藤井です。今年は、インフルエンザが大流行していたようで、街行く人々の顔にマスクが多かったように思います。春に入って、少しずつ暖かくなると、梅や桃等が花を開いて、福岡では月末頃に桜が花開くことでしょう。新しいものが芽吹く春を感じると「季節の移り変わり」、「輪廻転生」などを思い浮かべます。人生のそれを考えてみる中において、まずは遺言書の誤解についてふれたいと思います。

29.3.2
年々、遺言書についての相談が増えていますが、遺言書については「誤解」をなさっている方が少なくありません。知らなくて当然ではあるのですが・・・そのために遺言書を作ることをためらったり、作ろうと思ったらすでに手遅れだったということもあるものです。
「遺言書は作成したいけど・・・」なかなか実行に踏み切れない3つの誤解をここで解いておきましょう。

29.3.3
私たちが遺言書のお手伝いをする際、相談者の中には「遺言書を作ると、財産が自由に使えなくなるから困る」と言う方がいらっしゃいます。もし、遺言書に「全財産を●●に相続させる」と書いたとしても、その時点から自分の財産が自由に使えなくなるわけではありません。ここでいう「全財産」は死亡時点で残された財産のことなので、遺言書を書いても、生きているうちに財産をどう使おうとあなたの自由なのです。
また、遺言書に書いた財産の状況が後で現実と大きく異なる場合には、遺言書を書き直すことが出来ます。ですから、「今」の現状と心境で想いを見える形に残すことを考えましょう。

29.3.4
「法律どおりに分ければよいのだから、遺言書はいらない」「遺言書を残したところで法律のとおりにしかならない」という思い込みはありませんか?
確かに法律上、相続人はそれぞれ相続できる取り分(法定相続分)が決まっています。例えば夫が亡くなると、妻は2分の1、子供は2分の1をそれぞれ相続する権利があります。しかし、これはあくまでも建前であって・・・実際は、相続人同士で話し合いがつけばどのように財産を分けても自由です。
法定相続分は、遺産を分ける際に何も決まらなかった時の基準。財産の中には不動産や借金などもあり、単純に法定相続分で分けようとすると、住むところを失う人が出るなど、何らかの支障をきたす場合があります。
「法律どおりに分ければ問題ない」と安易に考えず、それぞれの相続人の生活を考慮した遺言書を残すことが望ましいといえるでしょう。

29.3.5
遺言書を作ると、相続税がかかると思っていませんか?それは全くの誤解で、遺言書を作っただけでは税金はかかりません。但し、遺産の金額や分け方によっては、将来に相続税が発生する可能性がありますので、心配な方は専門家にご相談なさることをお勧めいたします。
私どももご相談に応じておりますので、もし不安な方はお気軽にご相談下さい。

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

2017.02.01更新

2017.2
こんにちは。司法書士の藤井です。年が明けたかと思ったらもう2月・・・早いものですね。
ところで皆さん、「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」というのをご存知ですか?選日のひとつで、一粒の籾(もみ)が万倍にも実る稲穂になるという意味があります。一粒万倍日は何事を始めるにも良い日とされ、特に仕事始め、開店、種まき、お金を出すことに吉であるとされます。但し、借金や物を借りたりすることは苦労の種が万倍になるので凶とされます。ちなみに、2月の一粒万倍日は、7日(火)、12日(日) 、19日(日)、24日(金) 。縁起担ぎで何かをしてみるのもいいですね。

2017.2
遺言書は、「便箋と封筒、消えにくいボールペンや万年筆、印鑑+朱肉」があればどなたでもスグに書くことができます。
遺言書の書きなおしは何度でもできますが、間違うと訂正が大変なのでまずは、「あなたが誰に何を伝えたいか(残したいか)」を整理することが大切です。この機会に「もし自分だったら・・」と考えてみましょう!
【直筆遺言作成のポイント】
■タイトルから本文、日付、氏名はすべて自署します。
■財産の分け方については、自分の財産は何か、誰に相続させたいかを具体的に示しましょう。
■人について書くときは、特定できるように続柄、フルネーム、生年月日などを明記します。
■手続きをスムーズにするために、遺言執行者は指定しておきましょう。
■家族へのメッセージも残すことができます。付言事項に明記しておきましょう。

2017

2017.2

投稿者: 司法書士藤井真司事務所

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